略歴
1940 | イラン・テヘランに生まれる | |
1958 | テヘラン大学美術学部入学 | |
1960 | コマーシャル・フィルム、ポスターのグラフィック・デザインなどを手掛ける | |
1968 | 児童青少年知育協会に入り、映画製作部を創設 | |
1970 | 「パンと裏通り」で初監督 | |
1972-84 | 「1年生」など18作品を監督 | |
1987 | 「友だちのうちはどこ?」 | |
1990 | 「クローズ・アップ」 | |
1992 | 「そして人生はつづく」 | |
1994 | 「オリーブの林をぬけて」、カンヌ国際映画祭出品 | |
1997 | 「桜桃の味」でカンヌ国際映画祭パルムドール受賞 | |
1999 | 「風が吹くまま」でヴェネチア国際映画祭・審査員グランプリ受賞 | |
2001 | 「ABCアフリカ」、カンヌ国際映画祭に特別招待参加 | |
2002 | 「10話」 | |
2003 | 「5 five ~小津安二郎に捧げる~」 | |
2016 | 7月4日 パリにて逝去 |
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受賞記念展覧会 「アッバス・キアロスタミ写真展」
2004年10月19日-30日 坂倉準三メモリアルギャラリー サカ
2004年11月 6日-12月12日 箱根・彫刻の森美術館
主催:財団法人 日本美術協会 共催:彫刻の森美術館 後援:イラン大使館
10月19日から30日まで、東京・赤坂の坂倉準三メモリアルギャラリー・サカで、アッバス・キアロスタミ氏の受賞記念写真展が開催されました。
キアロスタミ氏は映画作品で国際的に高い評価を受けていますが、同時に写真で母国イランの自然の美しさを長年、撮影し続けてきました。このたび、受賞を記念してイラン各地のさまざまな「道」をとらえた36点を展示しました。
19日17時からのオープニングパーティには国際顧問のワイツゼッカー、ルアーズ両氏をはじめ、多くの人々が出席しました。キアロスタミ氏は「二週間に一回は写真を撮っている。なぜ道を撮るのか説明するのは難しい。観客が自由に感じてほしい」と語っていました。写真展はこの後、箱根・彫刻の森美術館に巡回しました。
キアロスタミ氏 |
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「 道 」
最近、写真が入っている引出しを開き、沢山の道を写して来た事に気がつきました。
私の映画にも沢山の道が描かれています。
「風が吹くまま」は「道」のシーンから始まります。
イランの詩の世界では「道」が深い意味を持っています。
「行く」と言う意味、「移住する」「ある一点からある一点に行く」と言う意味があります。
「道」には別れの悲しみと同時に、新しい場所に辿り着くという意味もあります。
私たちは、人生の中でいろいろな道を渡っていきます。
険しかったり、坂道だったり。
全ての道はある一点から始まり、一点に終わります。
そして、全ての道に物語があります。その道を通り、旅に出る人々の物語が。
アッバス・キアロスタミ